スペイン語でPicar・ピカールを使いこなせますか?
ピカール・・・?
ピカピカ光るのかな・・・
なかなか聴き慣れない動詞かも知れませんが、スペインではよく使う動詞の一つなんです。
ぜひマスターして使えるようになっていきましょう!
スペイン語でpicarは色々な意味があります🇪🇸👇
— Ester エステル🇪🇸スペイン語 (@esuterusupeingo) September 29, 2022
1️⃣ 刺す
2️⃣ 料理をつまむ
3️⃣ 細く刻む
4️⃣ チクチク
5️⃣ 気分を害する (picarse)#エステルスペイン語 #スペイン語 pic.twitter.com/tCiHuFc9kz
Picarの使い方をマスターしよう
今回は動詞Picarの用法をご紹介します。
Picarは1人2役どころか、それ以上の役割を担ってくれる味の濃い単語です。
言い方次第で幅広く使えますので、ぜひマスターしてください。
Picar①刺す (虫が刺す 蛇が噛む).
まずはpicarの基本的な意味である「刺す」です。虫に刺された、蛇に噛まれたなど、鋭いもので刺された場合に使います。
刺すといっても様々なシーンがありますが、他との違いは以下の通りです。
pinchar/ punzar : 針などとがったもので刺す
picar/pinchar : フォークでつつく
morder : 犬が噛んだ(犬に噛まれた)
Picar②料理をつまむ つまみ食い
“picar quesos” のように動詞+名詞のセットで表現することもありますが、”picar”一語だけでも意味を成します。
comerとの違いは以下の通りです。
comer : しっかりした食事を「食べる」
picar : 軽食やスナックを「つまむ」
また、「つまむ」の表現は他にもいくつかあります。
- Picotear
- Tapear
- Tomar un pincho
スペインでの生活にはおいしいお酒とタパスは欠かせません。タパスを食べる際にpicarを使ってみてください。
(タパス:スペイン版おつまみ)
動詞 + 前置詞 a + escondidas: こっそり~する
picarには「つまみ食いをする」の意味も含まれますが、上の用法では「こっそり」さをより明確に表現します。
Picar③細く刻む 切る
Cortar:切る 切り分ける
Picar:細かく切る みじん切りにする
Cortarとの違いは以上の通りです。
より細かく切る場合にはPicarを使うのが適切です。
さらに、料理に関連する単語でも用います。
Tabla de picar まな板
Carne picada ひき肉
Picar④チクチク かゆい (再帰動詞)
再帰動詞の形をとって感覚を表現します。
この場合、picarを直訳すると「刺激する」です。刺激されて身体がかゆくなる、チクチクするなどの結果に繋がります。
El jersey me pica. セーターが私を刺激する→チクチク
La salsa me pica. ソースが私を刺激する →辛い
Picar⑤気分を害する (再帰動詞)
④の用法とほぼ同じです。この場合は刺激された結果、嫌な気分になるイメージです。
文脈に合わせて感覚、または気分のどちらに不快感が生じているかを判断します。
Picar⑥穴が開く 虫歯になる (再帰動詞)
①のpicarは「刺す」を意味しましたが、再帰動詞の場合は物に完全に穴が開きます。
虫歯になることを「歯に穴が開く」と表現するのは驚きましたが、理にかなっています。
Picar⑦鼻をほじる 耳をほじる(再起動詞)
これを使う日は来るのでしょうか。。。と思いつつも興味深かったので、
最後に「ほじる」の用法を紹介します。
2つ目の例文のように小さい子に注意をする際には便利です。
余談〜ピカレスク文学とpicarは関係ある?~
Picar, picar, picar …とここまで沢山見てきましたが、
ふと
”Picar”とピカレスク文学は何か関係があるのでは⁉
と疑問が浮かびました。
ピカレスク文学とは
ピカロpcaro(あまり暴力的ではなく、ときにはユーモアも備えた、ずる賢い、ぺてん師的な小悪党)を主人公にした小説で、一般に悪漢小説とか悪者(わるもの)小説と訳されている。
日本大百科全書
16-17世紀頃にスペインで主流になった文学のジャンルです。当時でも現代でもピカレスク文学のファンの方は多いです。
気になる方は作品や時代背景など調べてみてください。
先にあげた説明文にあるように、ピカレスク文学は”Picaro”が語源となっています。
Picaro : 悪党 悪者 ずる賢い(人)
肝心なPicarとの関係は無いみたいです。
まとめ
ここまで動詞Picarの意味をたくさん見てきました。
「刺す」の意味なら知っている方が多いのではないでしょうか。
「切る・刺す」から、食べ物を「つまむ」まで用途が多い単語です。
皆さんもぜひPicarを使って気分や日常の出来事を表現してみてください!